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​​サクセスストーリー外伝:

「運命のハンドル」
 

松井仗助(まつい じょうすけ)は地元で介護タクシーの小さな営業所の責任者をしていた。

創業者である東方 俊美(ひがしかた としみ)が療養に入りその間の代理を任されていたのだ。

利用者は高齢者や身体に不自由を抱える人々が中心だったが、ここ数年、競争の激化により顧客は徐々に減少していた。口コミやチラシだけでは限界が見え始めていた。

ある日、仗助は思い切ってWEBマーケティングのプロフェッショナルを雇うことにした。

彼女の名は空条倫(くうじょう りん)。まだ30代前半だが、これまでにいくつかの中小企業を堅実に成長させてきた実績を持つ女性だった。

「空条さん、正直、WEBマーケティングがこんな小さな会社に効果があるのか、半信半疑なんです。広告費も出せる余裕は限られてますし…」 仗助は不安を隠せない様子で言った。
「松井さん、心配しないでください。大事なのは広告費の額面だけではありません。まずは、現在の御社のサービスの規模と質に相応しいターゲット相に、胸に刺さるようなメッセージを配信していくことです。」

空条はにこやかに答えた。

まずは、ウェブサイト(ホームページ)の見直しから始まった。

空条は、これまで単に会社概要やサービス内容だけが載っていたサイトを分析し、ユーザー目線で分かりやすく、使いやすいものに改善するように手案した。
具体的には、予約フォームをシンプルにし、数クリックで予約が完了するように改定。地図から運賃の予算が分かるシステムの導入。さらに、地域の高齢者やその家族が検索するキーワードを洗い出し、それらを文章に盛り込むSEO対策などであった。

次に空条は、SNSの活用を提案した。現代の日本において、フェイスブックやインスタグラムなどのSNSには、2000万人を超える高齢者の家族が存在しているというのだ。

仗助はその事実に驚愕し、空条のアドバイスを受けながら、介護タクシーの利用シーンや利用者の声、ドライバーの人柄などを紹介する投稿を開始。とりわけ、利用者の笑顔や感謝のメッセージが大きな反響を呼び、次第にフォロワーが増えていった。

また、同業者との繋がりも出来て、仗助にとっては他ユーザーの数々の投稿が日々の学びにもなっていった。

空条の戦略は続いた。地域の福祉施設や病院とのオンラインでの連携を強化し、一方では口コミやレビューの獲得にも注力した。

その結果、わずか数ヶ月で、会社への問い合わせは倍増。仗助はその変化にもまた驚いていた。

自身の現実として、電話が鳴り止まず、予約でいっぱいになる日が増えてきたのを実感していったからだ。

「これが本当にうちの会社なのか…」 仗助は日に日に増える予約の一覧を眺めながら呟いた。

数ヶ月前まで閑散としていた営業所は、今や忙しさで活気に満ちている。

さらに、空条の提案で始めたオンライン広告キャンペーンが功を奏し、地域外からの問い合わせも入るようになった。

近隣の県からサービスを利用したいという声が届くようになった頃には、多忙になった日々の中で業務をこなしながら、仗助は車両とスタッフを増やす必要を切々と感じ始めていた。

「事業拡大なんて、夢のまた夢だと思ってましたが、現実になってきましたね…」 仗助は感慨深げに空条に話しかけた。

「そうですね。今まで堅実に進められてきた成果が出てきたのだと思います。だけど、まだ始まったばかりですよ、松井さん。手ごたえを感じ始めている今のうちに、少しずつでも構わないから新しいサービス展開も考えていきましょう。この会社を今まで続けて来られた創業者の東方代表が思い描かれているのは、みんなを笑顔にする『らくだちゃん』の永続ですからね!」

空条は笑みを浮かべながら答えた。

こうして仗助の介護タクシー会社は、小さな地域のサービスから、広範囲にわたる信頼と知名度を誇る事業へと成長していった。

すべては一歩踏み出し、プロの力を信じてWEB戦略にハンドルを切った瞬間から始まったのだった。

「運命のハンドルか・・・」

そうして仗助は今日も運転席でハンドルを握りながら、ふと今後のさらなる展望に胸を膨らませるのであった。

一方、それと同じ時間にパソコンの画面を見つめる空条はー

「うちのお祖母ちゃんが生きているうちに介護タクシーのことを知れたら、もっといろんなところに連れて行ってあげられたのになぁ。」

と、下半身不随だった今は亡きお祖母ちゃんの姿を思い出していたー


誰かの笑顔を支えるために、らくだサービスは今日も明日も、力強く走り続けていく。

 

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